フロントオープンの食洗機。我が家、入れます。
家づくりを始めると、一度は憧れる設備ってあるじゃないですか。フロントオープンの食洗機、あれです。前開きでガバッ。不揃いな食器もガサッ。大きな鍋も、こびりついた昨日のカレー鍋も、まとめてドン。SNSでも「入れてよかった設備」の常連。我が家も、正直ずっと憧れていました。
ただ、憧れだけで安くない設備を即決するのは、さすがに怖い。だから機種を見る前に、「うちに本当に要るのか、どう使うのか」を先に考えました。今日はその、けっこう地味な品定めの話です。まだ住んでいないので「便利でした」とは言いません。書けるのは、決める前に悩んだ話だけ。
で、調べているうちに気づいたんです。機種を選ぶより先に、決めることがあった。何を——それは後で。
……いや、引っ張るほどの話でもないので、普通に書きます。
まず、採用を決めた理由が3つあります
- 家族5人。 これからの我が家、食器の発生量が国内有数になる予定です。
- 共働き。 夕食後の「洗い物タイム」を、まるっと別のことに使いたい。
- 家事の「どっちがやる問題」を1つ潰したい。 洗い物が機械の仕事になれば、我が家の食卓会議から議題が1つ消えます。
……3つ目、半分は冗談です。残り半分は、かなり本気。
子育て世代の夜って、だいたいこうです。ご飯を作る妻。仕事から帰るのが遅い夫。食べ終わる。シンクに山積みになった洗い物。そして、それと同時に発生する寝かしつけ。両親ともに満腹。ともに寝落ち。
……で、ハッと目が覚める。眼下に広がるのは、さっきの大量の洗い物。今やるのもしんどい。でも、もう一回寝て早起きして洗うのも、しんどい。もう、どっちにしてもしんどい。
こんな生活から、おさらばしたい。夫婦でそう願ったっていうのが、たぶん一番リアルな採用理由です。
ついでに白状すると、これを夫である私がやると悲惨で。着ている服はぐしょ濡れ。床には水たまり。かかる時間は、妻の3倍。手洗いを私が引き受けたところで、誰も得しない。……この事実は、そっと伏せておきます。
ただ、この3つだけなら小さい食洗機でも足ります。憧れの大容量フロントオープンに踏み込むかは、まだ決め手不足でした。「そこまで要る?」——財布を握りしめて、一度は立ち止まったんです。
引き出し式で十分——のはずだった
ここで少し、食洗機の種類の話を。大きく分けて、上に引き出して上から入れる「引き出し式(スライドオープン)」と、前にパカッと開ける「前開き(フロントオープン)」があります。国産のシステムキッチンで主流なのは、引き出し式。ラインナップも豊富です。容量も、パナソニックの公式ラインで見ると、引き出し式は深型で約6人分、浅型で約5人分(標準食器の目安)。5人家族でも、1回で洗うぶんには足りる計算です。
じゃあ素直にそっちでいいじゃない、という話なんですが。調べるほど、我が家が引っかかった点が出てきました。共感してもらえる自信がある順に、並べます。
- 入れ方が、ちょっとしたパズル。 上から、限られた枠に、お皿の向きと角度を考えながら詰めていく。キレイに嵌まれば気持ちいい。でも毎晩ヘトヘトの状態でそれをやるのか……と想像したら、少し腰が引けました。
- 正解の詰め方を外すと、容量を活かしきれないらしい。 「まだ入るはずなのに、あと数枚が入らない」。スペックの数字ほどには入らない、という話も聞きます。
- 大きい鍋やフライパンが、入れ方を選ぶ。 寝かせたり、ほかの食器を諦めたり。我が家は鍋もまとめて放り込みたい派なので、ここは地味に効く。
- 配置をミスると、洗い残しにつながることも。 水の当たり方が変わるぶん、詰め込みすぎや向きの間違いが洗浄力に響く、とも聞きます。
念のため——この4つは、入居前に見聞きした一般論と、我が家の想像です。実機で確かめた話ではありません。
で、この4つを眺めながら、我が家のことを思い出したんです。ざっと突っ込みたい。鍋もまとめたい。毎晩ヘトヘト。……パズルを毎晩解く余力、我が家には無い。
その点、前開きは強そうでした。メーカーの公式説明でも「食器の出し入れがしやすい、柔軟に使える3段カゴ」とうたわれていて、前をパカッと開けて、上からも手前からも入れられる。容量も前開きは大きめで、たとえばパナソニックの前開き・幅60cmタイプは、標準食器で約12人分が一度に入る大容量。「ガバッと開けて、ラフに放り込める」に惹かれた本当の理由は、憧れより先に、たぶんこれでした。
それに、これは我が家だけの結論でもないみたいで。家づくりの間、勝手に師匠と仰いでいたYouTubeチャンネルの面々がいます。なすびのおうちさん(お名前からしてもう野菜)、積水の平屋に住むきょんのおうちさん、パワービルダーで建てたやまのやさん、そして常軌を逸した超高性能住宅を建てた柊の住処さん。この先輩方、そろってフロントオープンを推していました。完全に右へならえです(笑)。
……いや、正確には、全員が”採用”したわけじゃなくて。なすびさんはご自身は深型(引き出し式)を選ばれて、「フロントオープンにすればよかった」と後悔を語っておられる。推しているのに、採ったのは反対側。つまり皆さん、身をもって「フロントオープンがいい」と教えてくれているわけです。先輩方の後悔まで込みで、我が家の教科書でした。
とはいえ、ここまではまだ「気持ちが傾いた」だけ。決め手には、もう一歩足りませんでした。
機種より先に、「使い方」を決めた
答えが出たのは、比較表とにらめっこした夜ではありません。決め手は、たった一行のマイルール。
1日1回だけ回す。予洗いはしない。
朝の皿も昼の皿も庫内にため込んで、夜にまとめてドン。お皿はさっと流さず、そのまま突っ込みたい。予洗い、あれ、絶対にやりたくない。だってあれ、食洗機に「先に手で洗っといて」って言われてるようなものじゃないですか。いや、絶対そう。ズボラと言われたら返す言葉もないですが、続く家事って結局こういう形なんですよね。
この「1日1回・予洗いなし」。たった一行ですが、これが効きました。1日分ためる。なら容量は、大きいほうがいい。予洗いしない。なら洗浄力は、譲れない。……あれ、答え出てる。大容量のフロントオープンは「憧れだから」じゃなく、「使い方の必然」だったんです。憧れが、ちゃんと理由に変わった。
ちなみにこの物差し、キッチン本体を7社見て3社に絞ったときにもフル稼働していました。使い方を先に決めると、キッチン選び全体が驚くほどラクになる。その話は、その記事で。
迷った末に、パナソニックにした
フロントオープンは決めた。問題は、どのフロントオープンか。海外製か、国産か。ここは、本当に往復しました。何度も心変わりして、我ながら優柔不断選手権の代表クラス。
大容量の海外製は、憧れ度でいえば主役級です。あの大きさ、あのガバッと感。ショールームで見たときは、正直しばらくその前から動けませんでした。ただ、乾燥の考え方が、我が家の使い方と少し違った。我が家は洗い終わってもすぐ片づけず、しばらく庫内に置きっぱなしにするタイプ。その雑な運用と、機種ごとの乾燥のクセが噛み合うのか——ここが最後まで、頭の隅で引っかかり続けたんです。どっちが優れている、という話ではありません。「我が家のズボラな使い方に、一番素直に付き合ってくれるのはどっちか」。引っかかっていたのは、その一点でした。
結論。我が家はパナソニックのフロントオープン食洗機(幅60cmの大容量タイプ)に決めました。前開きでガバッ。不揃いな皿もガサッ。鍋も食器もまとめてドン。乾燥の不安も、我が家の使い方なら飲み込める。海外製の憧れも捨てがたかったけれど、最後は「1日1回・予洗いなし」の我が家に、一番素直に噛み合ったのがここでした。しかも、決め手の裏で地味に効いた事実がひとつ。この機種、メーカーが公式に「予洗い不要」とうたっているんです(大きな残さいだけ取ればOK、と)。我が家の「予洗いしたくない」というワガママ、まさかのメーカー公認でした。
サイズも、地味に悩みました。パナソニックのフロントオープンは45cmと60cmがあって、45cmでも標準食器で約9人分。5人家族の1日分なら、数字の上では足ります。もっとコンパクトな選択肢——たとえばリンナイの45cmフロントオープン(約4人分。公式の希望小売価格で23万円台〜)も見ました。省スペースで、これはこれで魅力的。(メーカーはほかにも、ボッシュ・ミーレ・ガゲナウといった輸入勢まで幅広くあって、それぞれに個性があります。ここを語り出すと止まらないので、メーカー別の話はまた別の記事で。)
でも、思い出してほしい。我が家は「1日1回・ため込んでドン」。しかも鍋もフライパンも一緒に放り込みたい。そうなると、9人分でも心もとない気がしてくる。ちなみに国産のビルトイン食洗機はオープン価格が多く、パナソニックも公式に定価は出していません。実際の支払いはキッチンとのセットで動くので、我が家は金額より容量で腹を決めました。
白状します。かなり奮発しました。「そこまで要る?」と財布を握りしめていたはずの自分が、気づけば一番容量のデカい構成に手を伸ばしていた。家づくり、この繰り返しなんですよ……。財布は痛い。悲鳴も上げてる。でも「毎日使うものだから」と念仏のように唱えています。これが英断だったのか、ただの大盤振る舞いだったのか——答え合わせは、住んでから。
……と、さんざん海外製と迷った風に書いてきましたが。最後に、大きな声では言えない事実をひとつ。我が家、キッチンをパナソニックの「Lクラス」にしたんです。そうすると——素直に組み込める食洗機は、ほぼパナソニック一択。食洗機だけ他社を施主支給する裏ワザもあるにはあるらしいのですが、扉の面材が揃えられない等の条件付き。我が家は、あっさり見送りました。
つまり、「フロントオープンにするか」は使い方で本気で悩んだけれど、「どのメーカーにするか」は、キッチンを決めた時点で、ほぼ決まっていたわけです。あれだけ海外製のショールームに通って、45か60かで唸って、リンナイまで調べたのに……。おい、私(笑)。
というわけで、メーカーを横断してガチで比較した記録は、供養も兼ねてまた別の記事で書きます。
そういえば、食器はどうする問題
これは決めたあとに気づいた、地味な落とし穴。食洗機って、対応していない食器だと、洗ううちに色や柄が剥げてくることがあるらしいんです。それを聞いたときの、正直な感想。「え……食器、ぜんぶ買い替えるの?」
ところが、です。妻はいつのまにか、食洗機対応のこだわり食器をこっそり買い集めていたらしい。アラビアとか。……あれ、地味にいいお値段しますよね? 我が家の対策は、私の知らないところで静かに完了していました。妻の圧勝。異議なし。
食洗機に合う”おしゃれ食器”の話は、長くなるのでまた別の記事で。
採用を決めておいて、不安も3つ白状します
採用を決めた口で不安を並べるって、告白した直後に「でも自信ないんだ」と言うようなもの。でも書きます。
- 容量——1日分の皿、本当に1回で収まるのか。デカいのを選んだつもりでも、5人分の食器は日によって鍋もフライパンも参戦してきます。「あと1枚が入らない」で結局手洗い、の未知の惑星。
- 洗い残し——予洗いなしで、どこまで落ちるのか。乾いたご飯粒、こびりついた油、卵の黄身。手を抜きたい日の料理ほど、汚れは手ごわい。ここで白旗を上げたら、結局シンクで下洗いする羽目になる。それだけは避けたい。
- 手入れ——フィルター掃除が、結局「新しい家事」として我が家に転生してこないか。洗い物を減らしたくて入れたのに、掃除という別の家事が増えたら本末転倒。こればっかりは、使ってみないと読めません。
どれも、住まないと答えが出ません。だから今は、不安のまま置いておく。ここで「大丈夫です!」と胸を張らないのが、このブログの流儀です。
入居後に、答え合わせすること
この記事の答え合わせは3つ。
- 1日分の食器は、1回で収まったか
- 夕食後の時間は、どれだけ増えたか
- 家族が増えても、この運用で回ったか
全部、住んでからしか書けない宿題です。逃げずにやります。
憧れは入口。決め手は「使い方」
「みんな入れてるから」「憧れだから」。その気持ち、痛いほど分かります。我が家の入口も、まさにそこでした。でも最後に背中を押したのは、憧れじゃなく、使い方の裏付けでした。
いま食洗機で迷っている人へ。機種の比較を始める前に、「1日に何回、どう回したいか」だけ先に決めてみてください。憧れが確信に変わるのか。あるいは「あ、うちには要らないかも」が見えてくるのか。どっちに転んでも、それはそれで収穫です。
……と、偉そうに語りましたが、我が家もまだ「決めた」だけの段階。奮発した分、答え合わせで「結局、手洗いに戻りました」とだけは書きたくない。いや、絶対に書かない。……書かずに済むと、いいなあ。結果は住んでから。正直に報告します。
(この記事は採用前の検討記録と個人の感想に基づくものです。採用した製品は実体験として実名で紹介していますが、他社製品との優劣を断定するものではありません。)

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