キッチンのショールーム、行ってきました。真剣に見ました。説明も聞いたし、実物も触った。
で、数日後。記録をまとめようとして気づいたんです。
覚えていること、2つしかない。
あれだけ時間をかけたのに、です。今日はこの「見学の記憶、思ったより残らない問題」について書きます。うまくいった話じゃなくて、ほぼ失敗談です。でも、これから複数社を回る人にこそ役に立つ気がするので、正直に書きます。
家づくりのショールーム見学って、行く前は「ちゃんと見て、ちゃんと比べよう」って思ってますよね。僕もそうでした。行けばなんとかなると思ってました。
なんとか、なりませんでした。
覚えていたこと①:「触り心地が良かった」
まず1つ目。天板の触り心地が良かった。
これは、はっきり覚えています。手を置いたときの、あの感じ。いいなと思った。
……で、それだけなんです。
収納がどうだったか。機能の説明が何だったか。あんなにうなずきながら聞いていたのに、思い出そうとすると、ぼんやり霞んでいる。「良かった」という感触だけが、妙にくっきり残っている。
スペックは消えて、感覚だけが残る。人間の記憶ってそういうものなのかもしれません。少なくとも僕は、そうでした。
ただ、これ、困るんですよ。キッチンって数百万円の買い物じゃないですか。それを「触り心地が良かった方」で決めるのは、さすがに怖い。でも手元に残っている判断材料が、その感触しかない。
何しに行ったんだ、僕は。
覚えていたこと②:「継ぎ目がなかった」——で、どこのだっけ?
2つ目は、もう少し具体的です。天板とシンクに継ぎ目のない作りになっていた。これなら掃除がラクそうだな、と思ったのも覚えています。
やっと比較に使える情報が出てきた。
ところが、です。
思い返しているうちに、別の大手メーカーのショールームでも、似たような構造を見た気がしてきたんです。継ぎ目のなさが、頭の中でどの会社にも結びつかない。混ざってる。
こうなると、うかつなことが言えません。うろ覚えのまま「あそこのキッチンは掃除がしやすい」なんて書いたら、それはもう比較じゃなくて思い込みです。その会社に対してもフェアじゃない。
複数社を回るほど、各社の「良かったところ」は記憶の中で溶け合っていく。回った直後は「覚えてるつもり」なんですけどね。つもり、でした。
一番まずいのは、「比較した気」になっていたこと
ここまで書いて、ぞっとしたことがあります。
記憶が消えること自体は、まあ、仕方ない。まずいのは、曖昧な記憶のまま「ちゃんと見て比較した」と思い込んでいたことです。
もしあのまま記録を整理せずに候補を絞っていたら、それは比較検討ではなくて、印象採用です。休みの日にわざわざ足を運んで、真剣に見て、その結果が印象採用。時間がもったいなさすぎる。
「見学に行ったこと」と「比較できること」って、別なんですよね。行くと安心しちゃうんですけど。
みなさんは、前回の見学の内容、どこまで思い出せますか?
だから、次からこうします
反省を込めて、次の見学からのルールを決めました。4つです。
1. その場で書く。帰ってからまとめよう、は僕の場合一度も機能しませんでした。記憶はその日から溶け始めるので、ショールームの中で書きます。恥ずかしがってる場合じゃなかった。
2. 見る項目を先に決めておく。天板、継ぎ目、収納、手入れ。項目を決めておけば、各社を同じ物差しで見られます。行き当たりばったりで見るから混ざるんだと思います。
3. 「事実」と「感想」を分けて書く。「継ぎ目がない」は事実。「触り心地がいい」は感想。一緒くたにメモするから、あとで「良かった気がする」しか残らないんですよね。
4. 思い出せないことは「要確認」と書く。無理に埋めない。カタログで確認するか、もう一回行く。曖昧なまま埋めるのが一番危ない、というのが今回の学びです。
ただし、です。これはあくまで「記憶力に自信のなかった僕の対策」です。1回で全部覚えられる方には余計なお世話かもしれません。……いるんでしょうか、そんな人。
記憶はあてにならない。それを前提にする
ショールーム見学は、思っていたよりずっと「残らない」体験でした。
見学が無駄だという話ではありません。逆です。せっかく行くなら、記憶をあてにしない仕組みとセットで行った方がいい、という話です。
これから回る方は、帰りの車で「覚えてるから大丈夫」と思っても、一行だけメモしてみてください。数日後のあなたは、たぶん僕と同じ顔をします。
——と、偉そうに締めましたが、この4つのルールを実践するのは次の見学の僕です。ちゃんとできたか、できなかったかも含めて、また書きます。
【追記】その後、この4つのメモルールを実際に使って、キッチンショールーム7社を回りました。その結果はこちら→「キッチンを7社見て、最後に残ったのは3社だった」
※この記事は「採用前の記録」です。入居後に、この判断が正しかったかを「答え合わせ」して追記します。
(この記事は個人の見学体験に基づくものです。特定メーカーの製品の優劣を述べるものではありません。)
